新築住宅の工事の流れや期間を理解しているでしょうか。
意外と知らないまま、マイホームの工事を進めてしまう方も少なくありません。
もちろん流れを知らなくても家は出来上がります。
しかし、知っていた方が住宅への理解度が高まり、現場へ足を運ぶ楽しみが増すでしょう。
そこで今回は、新築住宅が建つまでの工事の流れと期間を解説します。
それぞれの工事で行う具体的な内容も解説しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
新築住宅が建つまでの工事の流れと期間
新築住宅が完成するまでには、さまざまな工事が行われています。
大工さんが家を作るというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実際には屋根・外壁・設備などの工事で、それぞれ異なる業者さんが現場に出入りして作り上げます。
新築工事の流れと期間の目安は次の通りです。
・着工(調査や仮設工事):約2週間~1ヵ月
・基礎工事:約3週間~1ヵ月
・上棟:約1~2日
・防蟻処理:約1~2日
・大工工事:約3週間~1ヵ月
・断熱、配管、配線工事:約1週間
・屋根、外壁工事:約2~3週間
・仕上げ工事(内装・設備・外周りなど):約1ヵ月
・完成(クリーニングや検査):約1週間
同時進行で行う工事もあり、一般的な木造住宅なら約4~6ヵ月で完成します。
もちろん建物の規模や内容によって異なりますので、具体的なスケジュールは建築する住宅会社に教えてもらいましょう。
着工から完成までの工事内容
新築住宅が着工してから完成するまでに行う工事の、具体的な内容を紹介します。
着工(調査や仮設工事):約2週間~1ヵ月
基礎工事が始まるまでに、現場の整備や下準備を行います。
具体的には次のような内容です。
・地盤調査:地盤の強さを確認する
・地盤改良工事:地盤が弱い場合に補強工事を実施する
・地縄張り:建物の形に沿って縄を張る
・遣り方:地縄の周りに木杭を打ち、水平に板を取り付けて基礎の基準を作る
・仮設の水道や電気の引き込み・現場に仮囲いや仮設トイレなどを設置順序は住宅会社によって前後します。
工事に入る前に地鎮祭を行う方が多いです。
また、敷地の状態によっては、建築できる状態にするために盛土や整地を行う造成工事を行うこともあります。
規模の大きな造成工事は1ヵ月以上の期間を要することもありますので、土地購入時に造成が必要かをチェックしておくと良いでしょう。
基礎工事:約3週間~1ヵ月
基礎工事は建物を支えるための非常に重要な工事で、基礎屋さんが現場に入って作業します。
具体的な工事内容を紹介します。
①根切り:地面を掘削する
②地業:砕石を敷いてから転圧して、基礎の地盤を固める
③防湿シート施工:地面からの湿気上昇を防ぐためにシートを施工する
④捨てコンクリート:地盤面にコンクリートを流し込んで安定性を確保する
⑤鉄筋組み:基礎の形状に沿って鉄筋を組んでいく
⑥型枠の設置:鉄筋の周りに枠を作って、コンクリートを流せる状態にする
⑦コンクリートの打設:枠内に生コンクリートを流し、固まる前にボルト設置する
⑧養生・型枠外し:コンクリートを養生し、固まったら型枠を外す
コンクリートを打つ前にも多くの工程があります。
基礎が完成してしまうと防湿シートや鉄筋は隠れてしまうため、見ておきたいなら細かなスケジュールを確認しておきましょう。
コンクリート打設の日もかなり迫力がありますので、見に行っても楽しいです。
養生日数は気候や気温によっても異なります。
コンクリートの強度に関係しますので、しっかりと固まるまで待ちましょう。
上棟:約1~2日
上棟とは、柱や梁などを組み上げていく工事のことです。
大工さんが複数名現場に入って、1~2日で骨組みを完成させます。
地域によっては上棟式などを行うケースもあり、行わなくても現場へ足を運ぶ施主様が多いです。
1日で建物が組みあがっていく様子は圧巻です。
マイホーム建築の節目の日なので、家族で記念撮影をして思い出に残しておくと良いでしょう。
基礎完成から上棟の前日までに土台を敷いて、足場を組んでおきます。
また、上棟日もしくは上棟の翌日までに、屋根の野地板や防水シートを施工して、雨を防げる状態にすることが一般的です。
防蟻処理:約1~2日
建物の枠組みができたら防蟻処理を行います。
防蟻処理とは、シロアリ対策の薬剤を構造材に塗布していく工事です。
建物の規模によりますが、専門業者が1~2日程度で行います。
大工工事:約2週間~1ヵ月
上棟後は大工さんの工事が行われます。
壁・天井などの面材を施工していったり、窓や玄関ドアなどを取り付けます。
床は下地を敷いてから、フローリングを施工していきます。
大工工事が完成すると、実際の部屋の広さや動線を体感することができます。
上棟時は複数人の大工さんが現場に入りますが、上棟後の大工工事は1~2人程度で行います。
1番長くマイホームに関わってくれる職人さんですので、覚えておくと良いでしょう。
断熱・配管・配線工事:約1週間
大工工事と並行して、断熱・配管・配線工事が行われます。
それぞれ壁内や基礎に隠れてしまうものなので、見るチャンスは工事中しかありません。
グラスウールなどの断熱材は大工さんが施工するケースが多いですが、発泡系の断熱材などは専門の業者が入ります。
また、給排水管の施工は設備屋さん、電気配線は電気屋さんが現場で施工します。
現場に行ったら、次のようなポイントを確認すると良いでしょう。
・断熱材が隙間なく施工されているか、・照明やスイッチ、コンセントの位置に配線がきているか図面と照らし合わせて現場を見てみてくださいね。
屋根・外壁工事:約2~3週間
屋根や外壁工事も大工工事と並行して行われます。
施工するのはそれぞれ専門の業者さんです。
どのような外装材にするかによって工程は異なります。
外壁は、透湿防水シート・外壁下地を施工してから外壁材を施工する流れが一般的です。
外回りの工事が完了すると、足場が外れて外観全体を見ることができるようになります。
仕上げ工事(内装・設備・外周りなど):約1ヵ月
大工工事が完了したら、内装・設備・外周りなどの仕上げ工事に入ります。
工事内容の一部を紹介します。
【内装工事】・巾木や笠木などの施工・壁や天井に壁紙やタイルなどの施工・ドアや建具などの取り付け・棚やカウンターなどの設置大工さんは大工工事から造作工事へ移って、建物内の細かな部分の仕上げを行います。
壁紙などは内装業者さんの施工です。
【設備工事】
・水回り設備の施工(キッチン・ユニットバス・洗面台・トイレなど)・照明器具、スイッチ、コンセントなどの施工・エアコンの取り付け設備屋さんと設備メーカー、電気屋さんが現場に入って作業します。
水回り設備はそれぞれ施工日が異なるため、一気にすべての設備が施工されるわけではありません。
電気設備の位置や高さ、水回り設備の仕様が指定通りになっているか、現場でチェックしてみてくださいね。
【外回りの仕上げ工事】
・網戸やシャッターの取り付け・玄関タイルの施工・テレビアンテナなどの取り付けそれぞれの業者さんが外回りの仕上げを行います。
外構を住宅会社に依頼する場合は、このタイミングで始まることが一般的です。
完成(クリーニングや検査):約1週間
工事が完成したらクリーニングや検査を行い、引き渡しへ向けて準備を進めていきます。
クリーニングは専門業者が現場に入り、1~2日へ行うことが多いです。
床や設備回りの養生もすべて取れるため、マイホーム全体をしっかりと見られるようになります。
検査は、住宅会社と第三者機関が行う2つです。
第三者機関は完成時以外に基礎工事と上棟後のタイミングでも検査も行っています。
また、引渡し前に施主立会いを行う住宅会社も少なくありません。
完成した建物をチェックして、問題がないことを確認してから引き渡しを受けてくださいね。
おわりに
1棟の注文住宅はさまざまな職人さんの手によって作り上げられています。
内装などの完成後も目に入る工事もたくさんありますが、壁や床、天井などで隠れて見えなくなる部分も多いです。
どのような流れで工事が行われているのかを知ると、興味のある工事を見逃さずにチェックできます。
新築住宅の工事内容を理解して、建築中からマイホームの思い出を残してくださいね。
アイリスホームでは、お客様の暮らしに寄り添った家づくりをしています。
建築現場のご案内なども可能ですので、ご興味ある方はぜひお問合せください。